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映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『2018年映画』「30年後の同窓会」(監督リンクレイター、ボブ・ディラン「ノット・ダーク・イエット」

『2018年映画』「30年後の同窓会」(「6歳のボクガ大人になるまで」監督のリンクレィタ―、 7/6

                
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                    原作・脚本ダリル・ポニックサン、)音樂グレアムレイノルズ
                            =ボブ・ディラン曲(ノット・ダーク・イエット)
                     主演スィテーブ・カレル、ブライアン・クランストン、
                     ローレンス・フィッシュバーン、クイントン・ジョンソン   7/6
 アメリカの現代史は、何年か毎に、国を分断するような大きな戦争に見舞われ、戦争に狩り出された若者たちは、戦後心の傷に悩まされた。ベトナム戦争に参加した本編の主人公たちも、戦争の傷を背負っての人生だった。大人の「スタンド・バイ・ミー」といわれる「30年後の同窓会」が、悲劇をもたらした旅が人生の意味を問う。アメリカ映画らしいロード・ムービーである。 
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ベトナム戦争に参加し、痛みを分かち合った3人の仲間は、ベトナム戦争中の悲劇をきっかけに離れ離れの人生を送っていた。その中の一人ドク(スティーヴ・カレル)は1年前に妻を癌で先立たされた後、たった一人の息子がイラク戦争で戦死、この世に一人で放り出された。痛烈な哀しみと孤独に見舞われた。ドクは息子の遺骨を故郷に連れて帰る旅に、ベトナム戦争の二人の戦友を誘った。

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バー経営者の一見陽気なサル(「トランボーハリウッドで最も嫌われた男」のブライアン・クランストン)、だが酒浸りの荒んだ日々を過ごしていた。今や敬虔な牧師を務めるミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)、実は向こう見ずで荒くれた青春時代をもつ。3人による遺体引き取りと輸送の旅、過去と現在の戦争の苦しみに向き合いつつ、海兵隊で共に過ごした愉快な仲間とのユーモア溢れるロード・ムービーが始まった。

一行はドーバー空軍基地につくと、遺体は国旗で包まれて棺の中に収められていた。基地の責任者の中佐は、頭を撃たれて損傷が激しいので見ない方がいいと言うが、ドックは息子の顔が見たいと言い張り、息子と対面し、変わり果てた息子の遺体に泣き崩れる。そして、ドッグは遺体を故郷の墓地で、卒業式のマントを着せて埋葬したいという。中佐はプライドをかけて、アーリントン墓地で海兵隊葬をやるべきだと対立する。2人の戦友たちもドッグに加勢して、故郷に埋葬することになる。息子の親友の若い兵士ワシントン(クイントン・ジョンソンが同行する。(ドグは中佐の海兵隊葬に反撥、息子の酷い様子にショック)

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3人は道中、アメリカを誇りに思いながら、苦しまされたベトナム戦争のことや、息子の命を奪ったイラク戦争のことなど、冗談を交えて語り合う。生死を共にした昔の仲間同士の本心とユーモアに満ちた会話だった。この会話には、アメリカのカルチャーがあるのではないか?30年前の戦友2人を捜しあて、息子の遺体を一緒に埋葬してもらうとするドグの意図。息子と向き合う自分、30年前の旧友と向き合う現在の自分、ベトナム戦争とイラク戦争が交差する。30年の時間が流れている。大きな戦争をいくつもしてきたアメリカの歴史・カルチャーの意味を問うているのだ。どこかで戦争をやり、若者が死に、帰還してもトラウマに悩み続ける戦争の犠牲者の数々。それがアメリカのカルチャーだというのか? 

地獄のような戦場。死への感性を潰すために軍から支給されるモルヒネ。衛生兵だったドグが手を付けて、モルヒネでハイになることに病み付きになった。そして、全部使ってしまった。大怪我をして痛みでのたうち回る兵士を見殺しにした。ドグはその罰として2年間服役した。帰還後、3人は連絡を取ろうとせず、罪悪感を背負って生きてきた。
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旅の途中で3人はある老婆を訪ねた。大怪我をして、見殺しにした兵士の家だった。ドグは老婆に正直に話し謝罪をする。母親は悲しそうな顔をしながら「いったい、何のための戦争だったの?」と3人に尋ねる。

ドグの息子の葬儀が行われた。(それまで、海兵隊葬ではなく故郷の墓地に埋葬すると言っていたドグは息子の遺書に
「父さん母さん、僕は愛しているよ。この国と軍隊に入ったことに誇りに思っている。僕が死んだら、軍服で埋葬して欲しい。」   

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ラストの海兵隊の軍服での葬儀に違和感を持った。あれがアメリカのカルチャーなのだ
ろうか? 戦後70年戦争をして来なかった日本との違いだろうか?

ラストのボブ・ディランの「ノット・ダーク・イエット」がよかった。


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  1. 2018/07/06(金) 17:01:31|
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