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『2018年映画』「タクシー運転手ー約束は海を越えて」監チャン・フン、主ソン・ガンボ5/23

『2018年映画』「タクシー運転手」(約束は海を越えて)監チャン・フン、主ソン・ガンボ 5/23DSC_1928.jpg



                         
80年の「光州民主化運動」は韓国現代史における最大の悲劇の一つである。79年の朴大統領殺害いわゆる10・26事件の発生、全国で民主化を要求する学生・民衆のデモが起こる。その混乱期の79年12月、全(チョン・ドゥファン)が率いる新軍部によりクーデーが起こり、79年12月12日戒厳令が全国に敷かれ、新軍部は武力でデモを鎮静化した。光州では断続的にデモが行われ、戒厳軍の強圧にむしろデモに勢いが増してきた様相を呈した。そしてついにデモに死者が出て、デモは激化する。80年5月市民らは戒厳軍を追い出そうと道庁に終結するが、戒厳令は鎮圧のために市民に実弾を発砲した!
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<映画>
ドイツ公共放送のアジア特派員ユルゲン・ヒンツペター記者(トーマス・クレッマン)は、光州での動乱を聞きつけて現地に向かう。5月19日金浦空港に到着、たまたま彼を乗せたタクシーの運転手がこの映画の主人公マンソプ(名優ソン・ガンボ)である。英語がやっと通じる程度で不安だったが、一刻も早く光州へ行きたい記者はタクシーに乗った。
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行く先の光州では学生や民衆のデモ隊と警察が対峙している。そこへ向かっているドイツ人ジャーナリストとタクシードライバーの一行。記者は動乱の写真を撮って世界に発信したいと決意している外国人記者。一方韓国人タクシードライバーは滞納している家賃を払うために危険な仕事を横取りするように引き受けた。主人公は11歳の娘を育っているシングルファーザー。亡き妻と誓った最愛の娘を育てあげることが唯一の願いだ。人は良いがおっちょこちょいだ。言語疎通の滑稽さが爆笑を誘う。名優ソン・ガンボがいい。
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庶民的なマンソプが光州で見たことは何だったのか?軍隊体験者である彼の想像を超えた動乱、兵士たちが学生や民衆を殴る蹴るの暴行であり、銃を民衆に向けて発砲している現実だった。道路に横たわる死者や怪我人たち、後に「光州民主化運動」と呼ばれた動乱の真っ只中に立った。記者は危険を顧みず軍隊や公安警察が民衆や学生を殴りつけている現場を撮り続けた。
光州のデモの学生たちとの交流、面倒見が良い光州のタクシー運転手たちの友情に触れ、さらにデモの実情を見ることで主人公マンソプの人間的な成長、光州脱出劇と続き、世界に光州事件の真相を発表したドイツ人記者ヒンツペーター。

1980年の光州事件も、87年の「民主化宣言」全斗煥大統領退陣まで軍事独裁が続いた。後の金泳三・金大中・廬武鉉の各大統領の時代に、民主化運動のシンボルと光州事件が言われるようになった。
 
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  1. 2018/05/23(水) 16:21:06|
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