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『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」②「ウォーターゲート事件」 4/9

『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」②ウォーターゲート事件4/9

大統領の陰謀DSC_1872

① 「大統領の陰謀」
1976年8月に公開された「大統領の陰謀」を覚えていますか?アメリカの「ウォーターゲート事件」を扱かった映画で、主演は若き日のロバート・レッドフォードとダスティ・ホフマン扮するワシントン・ポストの2人の記者が、ニクソン政権の陰謀に立ち向かって最後はニクソン辞任まで追い込むというドラマ。ロバート・レッドフォードが格好よかった!ポスト紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズが渋くってアカデミー賞助演男優賞に輝く)(「ペンタゴン・ペーパーズ」ではトム・ハンクスがブラッドリー役でストリープのキャサリンとポストを支える。)*1
*1多くの若者がこれを見て、ジャーナリストに憧れた。又、ジェイソン・ロバーズのような名編集長の下で記者になりたいと思ったことか。
(ウォーターゲットビル)
ゲートDSC_1863

 映画「ペンタゴン」の最後にウォーターゲートにある民主党本部に盗聴を仕掛けようとして、5人組が不法侵入で逮捕される。映画「ペンタゴン」の終わりがこの「大統領の陰謀」につながるわけです。5人組の中にニクソン再選委員会の大物やCIA関係者が含まれていて単なる不法侵入ではないと若きレットフォードの記者が調べに入る。*2謎のディープ・スロートが助言・示唆を与える。
*2「ディープ・スロート」は2005年に事実が明らかになる。2018年2月公開の「ザ・シークレットマン」はその映画化である。

②DSC_1874

 2人の若き記者は手探りで調査に当たっていたが、主幹のブラッドリーを始め先輩記者たちに鍛えられたこと、謎の「ディープ・スロート」の助言・示唆によって相手の巨大さ・怖さもわかってくる。事実関係の調査を終わり、証言の裏を取って、ポスト紙は公開に踏み切る。ニクソン政権から、ブラッドリー編集主幹やポスト紙が名ざしで攻撃を受ける。2人の記者やポスト紙の幹部は監視下に置かれる。証言も翻される。2人の記者は窮地に立たされる。世間・市民の反応も低い。「ディープ・スロート」から「政権はCIAやFBIなどの防諜機関を牛耳っている。幹部の盗聴・尾行・暴行などを警戒すべき」と言われた。深夜、2人の記者はブラッドリーの自宅を密かに訪れる。ブラッドリーから
「合衆国憲法修正第1条」で保障されている“報道の自由”を、そして“この国の未来”を守るためあくまで戦い抜くと告げ、2度とヘマをするなとはっぱをかけられる。*3

② 「ザ・シークレットマン」(2018年2月公開)
(監督ピーター・ランデズマン。FBI副長官マーク・フェルト=リーアム・ニーソン。)

.シークレットマンDSC_1858

「大統領の陰謀」の謎の”ディープ・スロート“は時のFBI副長官マーク・フェルトだった。政権の内部の人FBI捜査官のフェルトが何故リークしたのか?その理由を描いている。
 1972年6月17日のウォーターゲート民主党本部不法侵入事件を、単なる不法侵入ではなくて、ニクソン再選委員会が関係する大きな事件が絡むと見た。政権側が野党の民主党に盗聴を仕掛けることに失敗したことから起きた事件。ホワイトハウスが背景にあり、ホワイトハウス対新聞社の事件に発展し、ニクソン政権はあらゆる手を使って捜査を妨害する。マーク・フェルトは真実を国民に知らせることはFBI捜査官の使命だとして、国家機密を国民に公開しようと決意する。自身の家族、キャリア、将来をも犠牲にしても真相を暴くまでに至った経緯を描く。それを2017年の今何故映画化したのか?「ペンタゴン・ペーパーズ」も同じ理由。
(元FBII副長官マーク・フェルト)
マーク・フェルトDSC_1871

 トランプ大統領が「ロシア疑惑」でFBIから調査されている最中に、FBI長官をクビにした。トランプは司法妨害をしたわけだ。民主主義は立法・司法・行政の三権が独立して均衡を保っていなければならない。行政(時の統治機構)が勝手に他の二権に介入してはならない。民主主義の崩壊につながる。ニクソンもトランプもアベも同じことをしている。近代民主主義の危機だ。
 3つの映画が訴える問題は世界の民主主義の崩壊・衰弱を突くポイントだ。1972年の米国であり、2017~8年の米国や日本である。

③ 国家に対する犯罪と重大な違法行為の二重性について
委員会顧問でニクソン弾劾の準備を進めたスタッフであったジェームズ・ハミルトンが証言に立った。この1998年はビル・クリントン大統領が疑惑や秘書との不適切な関係で大統領弾劾の動きに直面し、下院司法委員会で討議していた時であった。
この委員会の証言でジェームズ・ハミルトンは、ニクソンとクリントンの行為には歴然とした違いがあるとして、国家に対する《犯罪と重大な違法行為》を基準としてニクソンの行為を弾劾発議した経過を説明し、1974年の司法委員会では次の5項目をニクソンの越権行為として問題であるとした。

1. 大統領の政治的利益のために、国税当局に命じて敵対者に関する監査と調査を行い、その情報を協力者に提供した。
2. 大統領の政治的利益となるように、FBIとシークレットサービスに盗聴を命じ、その後盗聴の証拠の隠ぺいを命じた。
3. 「鉛管工」と呼ばれる特別調査チームを作り、CIAの機関と選挙資金を利用して様々な違法の秘密活動を行わせた。
4. 民主党本部への侵入に関する捜査を妨害する行為を許可し、隠ぺいとそれに伴うその他の違法行為を容認した。
5. 個人的な利益のために、FBI・犯罪局・ウォーターゲート事件特別検察官を妨害した。
このような行為は《犯罪と重大な違法行為》であり、憲法を破壊する試みに等しく、国家に対する重大で深刻な違法行為であるとハミルトンは述べ、この国家に対する深刻で有害な違法行為という観念は、弾劾に値する違法行為の本質を現し、深刻で有害な違法行為から国家と社会を守るために弾劾されなければならない、としている。
(ニクソンとビル・クリントンの行為の違い、ニクソンの場合は三権分立を破壊し民主主義を壊すものだといっている。)

(会見するニクソン.問い詰める記者たち)
DSC_1868.jpg
 
(続く)

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  1. 2018/04/09(月) 06:39:05|
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