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映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『2018年映画(ドキュメント)』「ブラックリスト韓国ー録画2/4 ③」 2/22

『2018年映画(ドキュメント)』「ブラックリスト韓国―録画2/4 ③」 2/22

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時の政権が倒れると、韓国では前政権時代の汚職・不正が摘発されることがよくあった。民主的だといわれた大統領でも、一族の不正や汚職が摘発された。韓国社会の“血のつながり”の因習か?と思ってきた。

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前回第2章で「南北の分断は保守&革新の分断」それが文化・芸術の分野まで及んでいるという。ドキュメント「ブラックリスト」では、その問題を超えた詩人を挙げていた。

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 民主主義を求めながらも、一貫して政権とは距離を取り続けた詩人がいる。“コ・ウン”詩人。84歳。韓国の代表的詩人。韓国の歴史を舞台に民衆の群像を描いた多くの作品が有名。韓国でノーベル賞に最も近い詩人と言われている。

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 コ・ウンさんは軍事独裁政権の時代から、一貫して民主主義を求めてきた。弾圧を受け獄中に拘束されてこともある。民主主義のために身を賭して闘った詩人、政権から何度も力を貸してくれと言われても拒んできた。

コ・ウン氏
「保守と革新に分けて、どちらかにつくようなことはしたくありません。世の中には長年の伝統や今あるものを大切にする保守も必要です。昔の痛切な経験が忘れられないのです。隣人どうし、兄さん、姉さん、弟、妹と呼び合って暮らしていたのに、イデオロギーが入ると肉親同士が敵になってしまう。そんな悲惨な情況を目の当たりにしてきました。芸術は何度か弾圧されたくらいでは無くなりません。芸術は永遠なのです。政治や権力よりも長く生き続きます。だれも奪うことはできないのです。」

コ・ウン氏のような権力から離れたところに自分の位置を築いた人は敬服に値する。右であれ左であれ、イデオロギーで書かれたものは面白くない。党派の宣伝の道具でしかないからだ。戦前のプロレタリア文学と戦中の戦争文学が面白くないのと似ている。どちらも御用文学だからだ。中野重治の顔が浮かんでくるが、今ここでは触れない。彼は一級の文学者だ。

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韓国のブラックリスト問題が節目を迎えた。キム・ギチュン元秘書室長が表現の自由を侵害したとして、懲役4年の判決を受けた。

ソールの学生街のライブハウスで、キム・デジョンさんのトークショーが開かれていた。たくさんの年代の人が詰めかけていた。
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「彼のどんなところが好きですか?」
「正直なところ、彼の言葉にいつも励まされている」

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彼の登場!リストに載せられたことで仕方なく始めたトークショーも276回目となった。トークショーで早速取り上げたのが、前政権の幹部が次々と逮捕されるニュース。

「学歴が高いとか低いとか言いますが、学歴が低い人が国を破壊しますか?国を壊すのは大卒ですよ!だから子供がソール大に行くといったら、気をつけて!刑務所に行くと、その大卒の比率が高いから!勉強するな!ゲームをしろ!すると子供は勉強します。ああ!ソール大に合格しちゃった。どうしょう!(笑)」

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デジョンは「隣の人と抱きしめ合おう」と呼びかけた。厳しい日の暮らし。でも、辛いのは自分だけではない。諦めることなくお互いに理解する勇気を持とう。」キム・デジョンが辿りついたメッセージだ。

「私が寒い冬を耐えることが出来たのは、痛みを分かち合える人たちがいたからです。支えてくれた人たちのことを私は信じています。私はトークショーをやりながら問題なく生きています。それが重要です。」

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表現の場を奪う試みは絶対に成功しない。1万人の名を刻み込んだブラックリスト。実体を解明する中で浮かび上がった現実。それは南北分断の厳しい現実。だが、力では奪うことが出来なかった人々の強さが凄い。こういう悲劇を二度と繰り返さないために何が必要か?韓国社会の模索が続いている。

(NHKのアーカイブスのドキュメンタリーでした。2018年2月4日放送)

「ブラックリスト」は戦後アメリカのマッカーシズム、いわゆる「赤狩り」が有名だ。昨年取り上げた映画「ハリウッドに最も嫌われた男―トランボ」、アメリカの映画界の「赤狩り」の主要人物だったトランボ。主人公は優れた脚本家で、「ローマの休日」等が代表作。赤狩りの第一の標的になった映画人だ。ジョンウエンやエリア・カザンが権力に同調し、抵抗したのがハンフリー・ボガート、オーソン・ウェルズ、キャサリン・ヘップバーンなどである。
 1947年、第2次大戦後世界が共産主義体制と資本主義体制にわかれ、米国で共産主義者追放の嵐が吹き荒れ、米国の「赤狩り」は日本にも波及した。

 日本でも保守政権が長く続いている。革新政党によってひっくり返ったことがない。(民主党は中途半端だ)だから、「ブラックリスト」なるものの噂を聞かない。だが、「秘密保護法」みたいな恐い法律で政府は国民を監視している。その他われわれのわからぬ公安組織・情報機関があるのだ。予断を許さないのである。
  


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  1. 2018/02/22(木) 16:01:53|
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