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私の見た映画・美術・

映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『2018年映画』ロングロングバケーション」(ヘレン・ミレン&サザーランド共演)2/1

『2018年映画』「ロング・ロング・バケーション」(監督パオロ・ヴィルズィ、2/1
                             共演ヘレン・ミレン&ドナルド・サザーランド)

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人生の終着点を見据えた、70代夫婦の終活の旅。アルツハイマーに罹った夫とガンで余命何年と宣告された妻との人生最後の旅を通して描かれるのは、過ぎ去った過去の時間への慈しみと人生への喜びを力強くユーモラスに歌い上げた作品である。普通、「家族のロード・ムービー」は失った家族の再生を目指すものが多いが、これは逆に今ある二人の(家族の)幸福を繋ぎとめよう、慈しみ合おうとする映画だ。ここがポイントである。

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 末期癌の妻エラ(ヘレン・ミレン)とアルツハイマーが進行中の元教授ジョン(サザーランド)は、子どもたちも自立して人生の責任を果たして、夫婦水入らずの二人だけの生活を送るようになった今が人生の絶頂!とでも言うがごとき病院や施設はごめんだとばかりに旅に出る。ジャニス・ジョプリンやキャロル・キングのミュージックと共に愛用のキャンピングカーで、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダを目指す。名優ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドの最高のコンビ道中である。

<両親を心配する子どもたち>
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 二人は毎晩思い出の8ミリ映像で、かつて過ごした人生の1こま1こまの想い出に浸る。―互いの青春時代の写真や2人の子どものそれぞれの成長過程の映像に浸る。アメリカはキャンピングカーの素敵なホテルの公園が充実していて、毎晩8ミリ映像で想い出にふけった。しかし、ジョンの記憶の混乱でこれまで胡麻化してきたことや隠し事に向き合うことになる。そのことは、二人にとってどういう人生であったかを問い直す旅であり、人生の総括をすることでもあった。

 二人とも病状が深刻な状態が進行しているにも関わらず、昔のことで嫉妬して大喧嘩したり、素敵な性愛のシーンがあったりする。道中が楽しく素敵なシーンが続く。
さてどういう結末を見せるでしょうか?

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 久し振りに感動の映画に出合いました。二人の境遇・人生・病気などが遭遇する人生を経ると、老齢期の課題が実感をもって感じてくる。課題を自分は先送りしていると暗湛たる思いに捉われたりする。しかし、映画の主人公たちは人生に対して前向きで、深刻な状態を忘れさせるほど粋で行動的でコミカルなのだ。そこに救いがある。人生の終始の打ち方には人様々の方法がある。其々が自分の人生に決着をつけなければならないが。

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監督 イタリアの巨匠・パオロ・ヴィルズィ
 1964年生まれのイタリア映画の監督。「人間の値打ち」「歓びのトスカーナ」などがある。
主演
<ヘレン・ミレン>(英国の女優。「クィーン」(2006年)でアカデミ主演女優賞を受賞。エミ賞を4度、トニー賞を1度受賞。英国を代表する女優、2003年に「デイム」を受ける。
代表作「キャル」「第1容疑者」「英国万歳!」「エリザベス女王~愛と陰謀の王宮」「クィーン」

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<ドナルド・サザーランド>(カナダ出身の名脇役として知られる。多くの映画に出演。)
代表作「マッシュ」「1900年」「スペース・カウボーイ」「ハンガーゲーム」シリーズ

挟まれる名曲の数々
ジャニス・ジョプリン・キャロルキング・シカゴ・イギー・ポップ・ディヴィッド・クロスビー

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  1. 2018/02/01(木) 10:15:52|
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