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『2017年映画』「ハイドリヒを撃て!」(チェコのレジスタンス。チェコ、英、仏合作)9/1

『2017年映画』「ハイドリヒを撃て!」(チェコのレジスタンス。チェコ・英・仏作)9/1

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20世紀のチェコスロバキアは、隣国のドイツ、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニアらと祖国の存立をかけての争いの末、やがてナチス・ドイツによって国そのものが地図から無くなるという悲劇の結末になった。(ドイツ傀儡の「チェコスロバキア共和国」をナチスは作ったが、戦後正当性をもたなかった。)
祖国が消滅したチェコスロバキアは亡命政府(1939-1945)をパリ後にロンドンに作ったが、初めはどこも存在を認めなかった。ドイツがスロヴァキアを分離独立させチェコをドイツが併合した時、亡命政府の大統領エドヴァルト・ベネシュだけが抗議し、やがて抗議は在外公使に広がり戦局の悪化でやっと亡命政府の存在が認められた。
 
 亡命政府は、チェコ内残存レジスタンスと連絡を取り援助したが、ナチスの弾圧で組織はガタガタになった。ナチスの野獣といわれた「ハイドリヒ暗殺作戦」。(映画では「ハイドリヒを撃て!」)1942年にプラハで起きた。映画はヒトラーの片腕でユダヤ人虐殺の責任者の一人、ラインハルト・ハイドリヒの暗殺を描いたものである。

 ロンドンのチェコ亡命政府と英政府がハイドリヒ暗殺を決めた。チェコの工業がナチスの武器弾薬兵器を支えていたからだ。ナチスの軍需工業の責任者が、ラインハルト・ハイドリヒであった。ハイドリヒ暗殺は英政府及びチェコ亡命政府の必死の課題だった。ロンドンから暗殺者が送り込まれる。しかし、プラハのレジスタンスが反対する。冷酷なナチスの暴力組織がどんな過酷な報復を行うかは分からない。しかし、暗殺作戦は必死の至上命令だ。暗殺者を迎えて揺れ動くチェコのレジスタンス内部。が、決行された。果たして、、、
 
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 レジスタンスでは闘士たちは「青酸カリ」を所持する。逮捕後の凄まじい拷問に耐え切れず組織の大事を吐いてしまうから、それを恐れて自殺する。闘士たちを匿った夫人はゲシュタポの踏み込みに、一瞬の隙に「青酸カリ」を呑んで自殺する。ヴァイオリンニスト目指していた息子は囚われて過酷な拷問を受け秘密を漏らしてしまう。その彼が弾いていたバッハの無伴奏の痛切な響き。

 暗殺を決行すれば過酷な報復が待っているのに、何故やったのか?「神風・特攻の無惨な悲劇」「自爆テロ」を思い浮かべて疑問を自問自答した私が「甘い」のか?戦争の厳しさに襟を正すべきか?!しかし、ナチの野獣ラインハルト・ハイドリヒを暗殺し、この暗殺の成功でチェコは「連合国」の一員として認められたのである。

監督ショーン・エリス。
出演キリアン・マーフィ。ジェイミー・ドーナン




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  1. 2017/09/01(金) 06:46:55|
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