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『日記』「みんな、外れた――米国大統領選」 11/15

『日記』「みんな、外れたー米大統領選」11/15

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アメリカ大統領選で予測はみんな外れた。まさかのトランプ勝利である。接戦だけれど最後はヒラリーが勝つと皆思っていた。まさかのまさかである。トランプ勝利を*予測した政治家・評論家・ジャナーリストはいなかった。ジャナーリズム・マスコミはヒラリーで陣を張った。英国のEU離脱の時のような民衆の心の読み違いがあったのか?その後の評論家たちは無惨であった。テレビ・新聞ではこれからの日本や世界がどうなってゆくのか?又、トランプ現象で見えたものとは?を巡って議論が交わされていた。

何しろ皆「外れ馬券」!の彼らの虚ろなおしゃべりよりも、テーマ・問題点そのもの重要性が当方にも突きささった。トランプについては資料が「選挙演説」以外にない。政権の陣営・人事そして方針が決まらないと確定的なことは言えないが、私の感じたことは「選挙演説」での彼の主張から、私たちが曖昧にしていた問題点が突きつけられたことだ。そのことの感想を書いてみたい。
(*例外的に、マイケル・ムアーが7月にトランプの勝利を予測していた。)

① トランプが5大湖を取り巻く4つのラストベルト(錆びついた工業地帯)に意識を集中していた。(ミシガン(16)オハイオ(18)ペンシルバニア(20)ウイスコンシン(10))かつて工業地帯として栄えた州で民主党の牙城であった。(数字は選挙人の数)
トランプの脅し!「ここの工場を閉鎖してメキシコに移すなら、メキシコで作られた車の輸入に35%の税金をかけてやる!」ここの働き手は白人労働者、かつての米国産業の担い手は疲弊している。安い労働力を求めて生産拠点を海外に移転されて、失業と賃金の低下に脅かされている。日本も同じだ。白人男の不満のマグマが溜まりに溜まっている。トランプは白人男のマグマに火を点ける!ここはイギリスのど真ん中と同じだ。EU離脱で起ったが、ここでも起こる。トランプは「中低位白人男性層」に支持基盤の狙いをつけた。そして、不法移民やイスラム教徒の排除・人種差別・性差別をヒステリックにまき散らす。米国の最初の移民層=白人の怒りのマグマは次世代の移民層=黒人・ヒスパニック・イスラム教徒のそれを上回った。

② 米国が日本以上の格差社会だという事が明らかになった。今回明らかにされた白人の中低位労働者は年収200万から300万、多くて500万、安い労働力を求めて海外に工場が移転され、クビと賃下げの圧力に晒されている。トランプは白人中低位労働者の鬱積した不満に火を点けた。
白人以外の黒人・ヒスパニック・不法移民に、深刻な貧困問題が仰山あるというのに。

又、ヒラリークリントンは既成の古い政治家、若者は彼女が嫌いだ。「トランプではなくて、ヒラリー」ということが問題だと言われた。バニー・サンダースが若き女性政治家だったら、と思った人々が何人いたことか、、、

③  「米国は世界の警察になる余裕はない。自分の國は自分で守るべきだ」「日本や韓国を米国は防衛しているが、彼らは対価を払っていない。もし、払わなければ撤退する」という脅迫!歴史プロセスを無視した、無知だが裸の本音に一瞬虚をつかれた。沖縄から米軍は出て行けという声に、強圧的な居座りを続けているくせに、一方で金をもっと払わなければ「撤退だ!」という悪どい脅し!撤退しなさいは、こちらの台詞だ!

戦に敗けたために、日米安保で中国・北朝鮮・ロシアと対峙させられている。70年の戦後史のなかで、自主独立をスローガンに闘ったこともあった。昨年の「安保闘争」において、「70年戦争しなかった」ことを誇った。それもアメリカの核の傘に守られての平和だったのか。トランプが「払わなければ撤退する」と脅しをかけてきた時、「どうぞ、撤退して下さい。自分の国は自分で守りますから」といえる国でなくてはならないのだ。「自分の国は自分で守る」という確固たるものがあれば、トランプに毅然たる態度を取れるのだ。えげつない男が莫大な金を要求しているのだ!とんでもない。断固拒否だ!
  トランプは北朝鮮の連続的な核ミサイル発射に対抗して「日韓の核武装」と言っている。ウルトラ安倍政権がこれに便乗して日本の核武装を政治課題に挙げてくるだろう。闘いの準備をしなくてはならない。

④  トランプの出現によって世界が変わるだろう。彼が言っていることは排他的な自国第一・大衆迎合の「保護主義」だ。来年のドイツ・フランスの選挙に波及し、反難民の極右政党を勢い付かせるだろう。世界中が極右政権・政党の花盛りという「ファシズム」時代の到来が来るだろうか?

⑤ しかし、全米で「私の大統領ではない」と叫ぶ反トランプ・デモが毎日行われ、韓国でも100万人の反朴槿恵デモが連日起こっている。世界は真二つに割れている。日本でも昨年の安保闘争で反権力闘争の息吹があることが証明された。私は希望を捨てない。


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  1. 2016/11/15(火) 20:52:19|
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