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『2016年映画』「淵に立つ」(監督深田晃司、出演浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治) 10/27

『2016年映画』「淵に立つ」監督、深田晃司、出演、浅野忠信・筒井真理子・古舘寛治
                         カンヌ国際映画祭・視点審査委員賞     10/27


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一見平凡で平穏な家庭に他者が介入することで、家族の内側が暴露され、崩壊してゆく様を描いた、新進気鋭の深田晃司監督の、カンヌ映画祭入賞に輝く最新作!

下町で金属加工業を営む夫婦(古舘寛治・筒井真理子)と娘の元に出所したばかりの謎の男(浅野忠信)が現れる。古い友人という男に夫は何か引け目があるのか、妻には無断で家の空き室を世話し仕事を与える。妻にとって強引で唐突な共同生活が始まるが、男は何かの事件で服役した過去を持つ。初め違和感を持った妻だが男は礼儀正しく、娘習っているオルガンにも付き合い、家庭にとけ込んでゆく。

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この映画の鍵は妻役の筒井真理子である。平凡な中年の主婦として登場した彼女が、浅野忠信演じる謎めいた男によってどんどん生気を取り戻してゆく。男は礼儀正しさを見せている時は白い長袖のワイシャツを常に着ていたが、真っ赤なシャツの異様な男に変貌する。その時、大きな事件が起きる、、、

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物語は8年後に飛ぶ。
夫は障害者となった娘を抱えて、行方不明となった男を追っている。妻は以前に見せた妖艶さとは外見も中身も全然違った人間になっていた。赤シャツの浅野忠信の幻影に捕り付かれたように娘と心中、、、

平穏な家庭でも異物の侵入によって暴かれてゆく、崩壊してゆく。取り立てて目新しいテーマではないかも知れないが、深田晃司監督の成長振りに拍手を贈りたい。作品のレベルが今までと違う!カンヌという国際舞台に踊り出た。これからの可能性に期待大である。

監督とは縁あって初めての映画作品「椅子」(2002)「ザクロ屋敷」(2006)「勧侍」(2011)(これだけ見ていない)「ほとりの朔子」(2013)「さようなら」(2015)と見てきた。あれよあれよと見ている内にとうとうカンヌ国際映画祭に入賞するまでになってしまった。今までに無かった鮮やかな映像、作品の仕上がり、浅野忠信・筒井真理子・古舘寛治という異色の俳優を使いこなして見事です!




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  1. 2016/10/27(木) 20:33:49|
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