私の見た映画・美術・

映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『美術/音楽/舞台/読書』「フィオナ・タン/アセント」(IZU-PHOTO-MUSEUM7/18~ 7/19

「フィオナ・タン/アセント」(静岡県三島の郊外にあるクレマチウスの丘―複合文化施設
                 <IZU PHOTO・MUSEUM>7/18~   7/19

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Ⓐ 「アセント」(映像作品77分)新作展
テーマは<富士山>。
富士山との出会いを出発点として、4000枚に及ぶ公募や<IZU-PHOTO-MUSEUM>のコレクション等を基に製作された。様々な富士山の写真が並べられる。

様々な富士の姿である。いろいろな富士の雄姿、水辺(海や湖)と富士、桜と富士花々と富士、空撮の富士、ダイアモンド富士、見飽きている富士の様々な姿。「フジヤマ・ゲイシャ」という月並みなイメージも。

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歴史のある富士登山。浮世絵の時代から、昭和の軍国主義の時代、昭和天皇の登山、富士の裾野での兵士の演習、そして現代のツーリズムの時代へ。ジグザグ蛇行して登る富士登山。8合目の風景、御来光を目指す登山者たち。頂上の大賑わい!

Ⓑ 「富士山」が意味するもの
フィオナ・タンの狙いは何だろう?いろいろな富士を見せられて、「私にとって、富士山は何だろうか」と考えた。いや、日本人にとっての「富士山」とは何か?
日本人には、右から左まで膨大な意味を持つ「富士山」。真面目な顔で「私の故郷だ」という人がいれば、恥ずかしい表情をする人もいる。 *「毎日、富士山が見える所に住んで幸せです」と自慢げな地元の人。
「富士山」が何かの象徴だとすれば、意味が拡散して、統一感を持つのが難しい。民族・民俗性と近代性との分裂。

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Ⓒ フィオナさんのメッセージ
映像の前にフィオナ・タンのメッセージがあった。
「アセント」とは「上がる・登る」意味がある。4000枚の富士山の写真の公募、当館の所蔵の写真から使わせて貰った。
「アセント」①山②写真③映画・映像。根底に①深い悲しみ②死がある。
リサーチして「富士山」が大きな意味合いを持っていることを知った。英雄的な意味を持っている。富士山との距離感が大切。
山と雲(雲は常に山にかかってくるからセットで考える)、可視性と非可視性、
私=視覚・アートの限界、パラドックス
山=スケールの大きさ、写真に収まらない。
クリス・マイケルの20分の映像作品の様なイメージ。第4の窓から見ている。イメージを収めた器。その中心に「富士山」がある。
*フィオナ・タンは言う。「富士山」に取り組んで大変なものに取り組んでしまった、と思った。日本人にとって英雄的な膨大なものだと気付いた。

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Ⓓ フィオナ・タンと話す。
通訳者に話したら、タンさんが出て来て、私のタンさんへの賛辞を通訳してくれて、タンさんに伝えて貰った。
<私の賛辞>
*「アセント」のテーマは「富士山」とは日本人にとって何か?私にとって何かを問う作品である。日本人にとって「富士山」は拡散している。いろいろな富士山がある。通俗的な意味合いから英雄的なものまで様々である。又、それは日本人とは何かを問う問題でもある。レゾンデートルをも問えるし、アイデンティティをも問える。

*私は一昨年、あなたの作品を知り、展示をしていた大阪国際美術館まで見に行きました。

*初期の作品、タンさんのルーツを探る旅、いろんな国を巡り、(それは多彩の國の文化・歴史を映してゆくことでもある)「自分とは何か」を問う旅であり、「どこにも私の故郷はない」という発見であった。その発見は面白かった。

*「取り替え子」
2人の女学生を向き合わせた作品。アイデンティティを問う問題。大変面白かった!「私はどのように母親になるか」「理想とする母親像はどこにあるか」父親と言い換えてもいいのです。私自身がアイデンティティやレゾンデートルに興味を持っている。

*「ライズ・アンド・フォ―ル」
2つのスクリーンを並立させている。①ナイヤガラの滝のような瀑布と②老女と若き女の像を交互に写す。2つのスクーリンの並立。女性の一生を考えてゆく。人間の一生。そして、、、、「人はどこから来て、どこへ行くか?」

*「ディス・オリエント」
マルコ・ポーロの壮大な旅。アジアの現代風景・文化を写して、「東方見聞録」をナレターで語らせるという。それに加えて「空想博物館」を仮想する「大航海時代」を夢見るロマン!

私は夢中で語った。彼女への賛辞を贈った。映像の世界に歴史・文化・哲学を重ね合わせた面白さ! 彼女は笑顔で聴いてくれた。




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  1. 2016/07/19(火) 16:44:59|
  2. 美術/ 音楽/舞台/読書
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