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私の見た映画・美術・

映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『日記』 「南北首脳会談」 4/30

『日記』「南北首脳会談」4/30

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4月27日(金)韓国の文大統領と北朝鮮の金委員長は、南北境界線・板門店の「平和の家」で会談し、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」ことなどを明記した「板門店宣言」に署名した。

「板門店宣言」の骨子
*南北首脳が、完全な非核化を通して、核のない朝鮮半島を実現するという共通目標を確認
*年内に朝鮮戦争の終戦宣言をし、休戦協定を平和協定に転換するための会談を推進
*韓国の文大統領が今年秋に平壌訪問
*両首脳が定期的な会談、直通電話で議論
*敵対行為を全面的に禁止
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驚きの南北首脳会談だ!先日までトランプ米大統領との罵りあいの応酬の――反対者の粛清、暗いネガティブなイメージで覆われていた専制独裁者が、笑顔の若き指導者に変身だ!どのような政治ドラマがあったのか?ほとんど秘密のベールに隠されて知る由もない。これはこぼれ落ちてくる情報からの推測である。

4月29日(日)朝テレビで或る女性コメンテーターの次のような発言。北朝鮮に対して日本の政府筋やその他から猛烈なアタックがあった。北では上から「アベに構うな」という指令があった。アベは好かれていない?
夕方にも同じような情報。「アベは拉致を利用して北を悪く言う。制裁の圧力だけをうるさく言う」

夕6時48分、共同通信が文韓国大統領とアベ首相と電話会談を報道。27日の南北首脳会談の際に、金委員長が「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたことを文大統領が伝えた。文氏が金氏に日本人拉致問題や日朝関係について提起し、首相の考えを伝えたと説明。首相は南北両首脳が署名した「板門店宣言」に「朝鮮半島の完全な非核化」が明記されたことを評価した。
(南北首脳会談、米朝会談がセットされる中で、日本が蚊帳の外に置かれアベの存在が希薄になって、拉致問題をトランプや文大統領にお願いする情けない状態だった。これでほっとしたか)

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*北朝鮮の情況
1948年建国の時に、北朝は自分主導で半島の統一をしょうと決めた。首相の金日成が中国の毛沢東、ソ連のスターリンの了解をとって南進したけれど米軍に遮られた。(朝鮮戦争)米の介入の武器は核兵器だと思った金日成は、1950年代から核兵器を作ろうと決意した。ワシントン・ニューヨークを火の海に出来る核兵器を持てば、米は半島の統一に介入しないだろうと思い、そのシナリオは今や出来上がったと確信している。
米に直接届く弾道弾ミサイルがほぼ完成したことは、北にとっても米にとっても異次元の世界に入った。防衛システムがない以上、米が「経済制裁」や「圧力」から「対話」に展開せざるを得なかった。この対話は平和主義の理想論からの発想ではなく、軍事オプションからきている。(日本は「圧力」を繰り返すのみ)米側はどのような「対話」オプションが可能か検討に入った。

北は平壌オリンピックへの「美女軍団」の登場、「併進路線」(核ミサイルも経済も両方やる)から「経済路線」への大転換の実行。それがこのたびの「南北首脳会談」の実現だ。従って、今回の金氏の「いつでも日本と対話する用意はある」その路線に沿った解放路線だ。さて北は何をするだろうか?

「板門店宣言」にあるように、朝鮮戦争の休戦状態から平和条約締結の方向に向かうだろう。日本は第2次大戦の朝鮮半島に対する「戦後処理」―北朝鮮との平和条約の締結・戦争賠償、拉致問題の解決などの課題が待っている。日本は第2次大戦以前の朝鮮半島への植民地支配への謝罪と賠償が終わっていないのだ。

北朝鮮は例えば中国型の国を目指すとすれば、解放経済が課題になる。そのため日本の賠償が期待されるだろう。アジアの軍事オプションとして北朝鮮の、非核化・経済の発展・内政の近代化――韓国・北朝鮮・米国・中国・日本・ロシアの6ヵ国協議の発展が必要不可欠である。日本は第2次大戦の戦後処理―謝罪と賠償―が求められてくる。


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  1. 2018/04/30(月) 13:41:58|
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『日記』「セクハラ報道番組を見て」 4/19

『日記』「セクハラ報道番組を見て」4/19

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4/16(月)

 財務省福田次官のセクハラ疑惑について、財務省は以下のコメントを発表。
* セクハラ疑惑の否定
* 辞任の否定
* 名誉棄損で新潮社の提訴を準備
* 財務省は外部の弁護士に委託して調査を続ける。同省記者クラブの加盟各社の女性記者に調査への協力を要請
 これに対して批判が続出。「#MeToo(私も)」は性暴力を被害者が自ら告発する動きであり、私も受けたと告発を続ける運動、セクハラに対する視線は世界中で厳しさを増している。名乗りでなければ、何もなかったことにされてしまう。「弁護士(女性弁護士もいるぞ)を用意するから出てきなさい。財務省はこんなにもしてやったのだ」と上から目線で言っている。セクハラが被害者の尊厳を傷つける行為だということをわかっていない。「どうせ出てこないだろう」、という確信犯だ。
 しかし、与党からも各界から批判が続出。女性記者らから批判も。

4/18(水)記者クラブの抗議文が財務大臣宛てに。
 福田次官更迭。セクハラは否定。何で辞めるのか?職責を果たすことが困難と言って辞任した。
テレ朝会見
「被害者は、テレビ朝日の女性記者。1年半前から取材で*「一体一対応」の取材をした。その度にセクハラ発言があっため、身を守るために会話を録音した。
*政治部の記者の取材方法。(「一対一対応」でなければ情報が取れないという。)

上司に訴えたが、2次被害の恐れがあると拒否された。黙っていてはいけないと思い、雑誌社に申し入れた。本人は大変傷つい
ている。

テレ朝の会見は以上だが、女性記者の訴えを2次被害の恐れとして黙殺したテレ朝への批判は免れない。テレ朝は財務省に抗議するといっているが、具体的にセクハラを無くすにはどうすればよいのか。問題は簡単ではない。
18日の新潟県知事の売買春疑惑退陣会見、福田財務省次官のセクハラ疑惑会見と連日続いた。今世界では「#MeToo」のセクシャルハラスメントの運動が盛んになってきた。今回の福田次官のセクハラ疑惑は、日本のジャーナリズム&マスコミの「#MeToo」運動の切っ掛けになるか。18日記者クラブは抗議文を送った。但し、24社の内「日経」など4社が棄権した。

 記者クラブ・新聞労連・民放など集まりはあるが、歴史的な経緯から期待する動きは望めない。しかし、やじ馬的に見ていて、日本のセクハラは根深い男性の女性差別と関係がありそうだし、今の日本の男性は性・異性への意識を自己チェックしないと世界に通用しないことは確かだ!

②4/16(月)
小西参院議員に、幹部自衛官が「お前は国民の敵だ!」と暴言を吐く!問われる文民統制。戦前の陸軍の2・26事件、5・15事件を思い出す。だんだん怖い日本になってきた。実力組織の幹部が極右まがいの発言をゆるしたら、と思うと恐怖を覚える。日報の紛失問題が関係してないか?政治が空虚な最低ラインに陥った時、、、怖いのは実力組織の暴発である。歴史を見れば答えは出ている。





  1. 2018/04/19(木) 20:27:14|
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『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」③「抗う者の拠り所」 4/12

『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」➂抗(あらが)う者の拠り所 4/12


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① 映画はなぜ作られたか?
「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」(2017年)、「ザ・シークレットマン」(2017年)、「大統領の陰謀」(1976年)。3本の映画の舞台は1972年のニクソン政権下の「ウォーターゲット事件」。ニクソン政権の違法行為と、告発する者への弾圧を描く。映画が作られた昨2017年は、トランプ政権がロシア疑惑を打ち消すためにFBI長官を左遷・次々と行政・司法の人事をいじくり回していた。(今でもそうだ)米の民主主義の危機が叫ばれた。2017年の日本は「公文書改ざん」「日報隠蔽」で揺れた。映画を見ているアメリカ&日本の観客は、72年と現在を重ねて様々な思いを抱いた。映画を作ったスピルバーグや、ピター・ランデズマンは、トランプ政権の近代民主主義への破壊行為への危機感から映画を作った。
(ウオーターゲイト ビル)
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② 国家権力とジャーナリストとの闘い
 「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」の主人公ワシントン・ポストの社主キャサリン・グラハムは、夫の死後家庭の主婦であったが、やむを得ず新聞社の経営者となった。ジャーナリストとしての訓練も受けていないが、男性優位の社会の中での女性経営者として地位の確立。株式の公開。ポスト紙をどういう新聞にするかなどの課題に邁進。彼女は「言論の自由」をポスト紙のメイン課題とするなど前向きに行動。(メリル・ストリープの役への読み込みの深さ。)上品なお嬢様育ちからの気品。仕事のパートナーであるベン・ブラッドリーとの親密さと敬意ある距離感はメリルらしい演技力。ワシントン・ポストの編集主幹ベンは、国家に対する反逆罪に問われる危険性を理解した上で、真実の追求を社のメンバーに課していた。
 実際にニクソン政権との闘いが繰り広げられる中で、主人公たちへの想像を超える弾圧――盗聴・暴力・買収・――彼ら・彼女は新聞社を失い、刑務所行きを覚悟した。それは3つの映画の主人公たち全員が負った運命だった。

(キャサリンとブラドリー編集長)メリル・ストリープとトム・ハンクス
メリルとハンクス⓶


(実際のキャサリンとブラドリー)
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③ 共通するもの
 映画の主人公たちに共通するものとして、いずれの者にも拠り所があった。それは「大統領の陰謀」で深夜人目を避けて自宅に訪れた2人の記者を、ブラドリー編集長は「“報道の自由”のために戦う」と励ます。つまり、彼らの信念の奥にあるものは『合衆国憲法修正第1条』の
「連邦議会は、国教の樹立、あるいは宗教上の自由な活動を禁じる法律、言論、又は報道の自由を制限する法律、ならびに人々が平穏に集会する権利、および苦痛の救済のために政府に請願する権利を制限する法律を制定してはならない。」

又、ニクソン政権がタイムズ&ポストを国家の安全保障の侵害として連邦裁判所に訴えたことへの裁判所の判決。
『ニューヨーク・タイムズ対米合衆国=ヒューゴ・ブラック判事の判決』
「合衆国建国の父は、憲法修正第1条をもって民主主義に必要不可欠である報道の自由を守った。報道機関は国民に仕えるものであり、政権や政治家に仕えるものではない。報道機関に対する政府の検閲は撤廃されており、それゆえ報道機関が政府を批判する権利は永久に存続するものである。報道の自由が守られているため、政府の機密事項を保有し国民に公開することは可能である。制限を受けない自由な報道のみが、政府の偽りを効果的に暴くことができる。そして、報道の自由の義務を負う者は、政府の国民に対する欺きによって多くの若者が遠い外国へと派遣され、病気や戦闘で命を落とすという悲劇を避けるために責務を全うすべきである。私の考えでは、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、そしてその他の新聞社が行った勇気ある報道は決して有罪判決に値するものではなく、むしろ建国の父が明確に掲げた目的に報いる行為として称賛されるべきである。この国をベトナム戦争参戦へと導いた政府の行為を明るみにすることで、前述の新聞社は建国者たちがこの国に望んだことを立派に実行したのである。」
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アメリカ映画で国家の不当性と闘う時、必ずこの「合衆国憲法修正第1条」や「建国の父たちの理想とした理念」が出て来る。時の統治権力に対する抵抗権として、修正1条の「言論・報道の自由を守る」権利や、「建国の父たちの理想」(ワシントンやリンカーンたち建国の父たちが、合衆国を建国した時に抱いた理想――歴代の国民が思い寄せた理想が重なる)を*1心の盾に闘うのである。映画の主人公たちの会話の中に出て来る。

*1米国の政治史を本格的に勉強したわけではないのでここでやめるが、時の統治権力と建国の父たちが抱いた國家像は別の物だという認識がある。統治権力の国家とは「愛国」の看板の裏に「利権」をかくしていた。建国の父たちの国家像から統治権力の愛国像を弾劾するのである。

*昨年に作られた2つの映画が、トランプ政権の民主主義に対する破壊への警鐘として作られた。米国社会における構造の変化、また、ヨーロッパ各国の構造的変化へと視野を広げてゆけるが、日本ではどうか?政権内に「日本会議」が蔓延する現実。安倍政権で日本の統治権力は極右政権になった。しかし、その極右政権も綻びが出てきた。官僚のなかの官僚と言われた財務省で公文書改ざん問題が判明した。嘘をつく政権、いつまでもつのか?

*直近の課題
文科省の加計学園の獣医学部新設を巡る、総理の縁故利益誘導。
財務省の国有地売却を巡る8億円値引き、公文書の改ざん。口裏合わせ。
防衛省の日報隠蔽工作・シビリアンコントロール不能問題
安倍は9月の総裁選で3選を果たし、憲法9条改憲を果たそうとしている。戦後社会は名実とも変貌を遂げることを狙っている。

*米国の窮地のバネが「合衆国憲法修正第1条」とすれば、日本は何か?
「平和憲法9条」といいたい。しかし、戦後史をドイツと比べて、日本は戦中の軍国主義への反省が足りなかったと言われている。ドイツがナチス的なものの徹底した排除から戦後を出発させた。日本は米ソの対立という冷戦の始まりから、戦後の民主化も挫折してゆく。








  1. 2018/04/11(水) 19:18:49|
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『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」②「ウォーターゲート事件」 4/9

『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書」②ウォーターゲート事件4/9

大統領の陰謀DSC_1872

① 「大統領の陰謀」
1976年8月に公開された「大統領の陰謀」を覚えていますか?アメリカの「ウォーターゲート事件」を扱かった映画で、主演は若き日のロバート・レッドフォードとダスティ・ホフマン扮するワシントン・ポストの2人の記者が、ニクソン政権の陰謀に立ち向かって最後はニクソン辞任まで追い込むというドラマ。ロバート・レッドフォードが格好よかった!ポスト紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズが渋くってアカデミー賞助演男優賞に輝く)(「ペンタゴン・ペーパーズ」ではトム・ハンクスがブラッドリー役でストリープのキャサリンとポストを支える。)*1
*1多くの若者がこれを見て、ジャーナリストに憧れた。又、ジェイソン・ロバーズのような名編集長の下で記者になりたいと思ったことか。
(ウォーターゲットビル)
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 映画「ペンタゴン」の最後にウォーターゲートにある民主党本部に盗聴を仕掛けようとして、5人組が不法侵入で逮捕される。映画「ペンタゴン」の終わりがこの「大統領の陰謀」につながるわけです。5人組の中にニクソン再選委員会の大物やCIA関係者が含まれていて単なる不法侵入ではないと若きレットフォードの記者が調べに入る。*2謎のディープ・スロートが助言・示唆を与える。
*2「ディープ・スロート」は2005年に事実が明らかになる。2018年2月公開の「ザ・シークレットマン」はその映画化である。

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 2人の若き記者は手探りで調査に当たっていたが、主幹のブラッドリーを始め先輩記者たちに鍛えられたこと、謎の「ディープ・スロート」の助言・示唆によって相手の巨大さ・怖さもわかってくる。事実関係の調査を終わり、証言の裏を取って、ポスト紙は公開に踏み切る。ニクソン政権から、ブラッドリー編集主幹やポスト紙が名ざしで攻撃を受ける。2人の記者やポスト紙の幹部は監視下に置かれる。証言も翻される。2人の記者は窮地に立たされる。世間・市民の反応も低い。「ディープ・スロート」から「政権はCIAやFBIなどの防諜機関を牛耳っている。幹部の盗聴・尾行・暴行などを警戒すべき」と言われた。深夜、2人の記者はブラッドリーの自宅を密かに訪れる。ブラッドリーから
「合衆国憲法修正第1条」で保障されている“報道の自由”を、そして“この国の未来”を守るためあくまで戦い抜くと告げ、2度とヘマをするなとはっぱをかけられる。*3

② 「ザ・シークレットマン」(2018年2月公開)
(監督ピーター・ランデズマン。FBI副長官マーク・フェルト=リーアム・ニーソン。)

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「大統領の陰謀」の謎の”ディープ・スロート“は時のFBI副長官マーク・フェルトだった。政権の内部の人FBI捜査官のフェルトが何故リークしたのか?その理由を描いている。
 1972年6月17日のウォーターゲート民主党本部不法侵入事件を、単なる不法侵入ではなくて、ニクソン再選委員会が関係する大きな事件が絡むと見た。政権側が野党の民主党に盗聴を仕掛けることに失敗したことから起きた事件。ホワイトハウスが背景にあり、ホワイトハウス対新聞社の事件に発展し、ニクソン政権はあらゆる手を使って捜査を妨害する。マーク・フェルトは真実を国民に知らせることはFBI捜査官の使命だとして、国家機密を国民に公開しようと決意する。自身の家族、キャリア、将来をも犠牲にしても真相を暴くまでに至った経緯を描く。それを2017年の今何故映画化したのか?「ペンタゴン・ペーパーズ」も同じ理由。
(元FBII副長官マーク・フェルト)
マーク・フェルトDSC_1871

 トランプ大統領が「ロシア疑惑」でFBIから調査されている最中に、FBI長官をクビにした。トランプは司法妨害をしたわけだ。民主主義は立法・司法・行政の三権が独立して均衡を保っていなければならない。行政(時の統治機構)が勝手に他の二権に介入してはならない。民主主義の崩壊につながる。ニクソンもトランプもアベも同じことをしている。近代民主主義の危機だ。
 3つの映画が訴える問題は世界の民主主義の崩壊・衰弱を突くポイントだ。1972年の米国であり、2017~8年の米国や日本である。

③ 国家に対する犯罪と重大な違法行為の二重性について
委員会顧問でニクソン弾劾の準備を進めたスタッフであったジェームズ・ハミルトンが証言に立った。この1998年はビル・クリントン大統領が疑惑や秘書との不適切な関係で大統領弾劾の動きに直面し、下院司法委員会で討議していた時であった。
この委員会の証言でジェームズ・ハミルトンは、ニクソンとクリントンの行為には歴然とした違いがあるとして、国家に対する《犯罪と重大な違法行為》を基準としてニクソンの行為を弾劾発議した経過を説明し、1974年の司法委員会では次の5項目をニクソンの越権行為として問題であるとした。

1. 大統領の政治的利益のために、国税当局に命じて敵対者に関する監査と調査を行い、その情報を協力者に提供した。
2. 大統領の政治的利益となるように、FBIとシークレットサービスに盗聴を命じ、その後盗聴の証拠の隠ぺいを命じた。
3. 「鉛管工」と呼ばれる特別調査チームを作り、CIAの機関と選挙資金を利用して様々な違法の秘密活動を行わせた。
4. 民主党本部への侵入に関する捜査を妨害する行為を許可し、隠ぺいとそれに伴うその他の違法行為を容認した。
5. 個人的な利益のために、FBI・犯罪局・ウォーターゲート事件特別検察官を妨害した。
このような行為は《犯罪と重大な違法行為》であり、憲法を破壊する試みに等しく、国家に対する重大で深刻な違法行為であるとハミルトンは述べ、この国家に対する深刻で有害な違法行為という観念は、弾劾に値する違法行為の本質を現し、深刻で有害な違法行為から国家と社会を守るために弾劾されなければならない、としている。
(ニクソンとビル・クリントンの行為の違い、ニクソンの場合は三権分立を破壊し民主主義を壊すものだといっている。)

(会見するニクソン.問い詰める記者たち)
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(続く)

  1. 2018/04/09(月) 06:39:05|
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『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ・最高機密文書」監督S・スピルバーグ4/6

『2018年映画』「ペンタゴン・ペーパーズ=最高機密文書」監督S・スピルバーグ,
「ワシントン・ポスト」社主キャサリン(メリル・ストリープ)
編集主幹ブラッドリー(トム・ハンクス)

ランド研究所(シンクタンク)エルズバークがマクナマラの指示で歴代のベトナム戦争の功罪を調べ、ペンタゴン・ペーパーズを書く。ここから――新聞社へ     
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『「30年も隠してきたベトナム戦争の嘘をあばくのだ」
「これは違法ではありませんか?」
「何のために新聞はあるのか!」
「これは政府との戦いだ!負ければワシントン・ポストは無くなり、全員刑務所行きだ!」』
(地方紙だった「ワシントン・ポスト」の女性社主が人生のすべてを賭けての決断!)
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* 感動に震えた!涙が出てきた。これはどこの国の「ウオーターゲート事件」の話しか?日本の今ある、事件の話ではないか!いや、日本でこそ作られる映画ではないか?
「国家機密文書」暴露!「国家機密文書」改ざん!どちらの国も国家の存立を揺るがす問題だ。映画を見ながら二つの国に同じような場面があることにびっくりしていた。
( X )はあらゆる手を使って君に圧力をかける!葬られるぞ!
マクナマラ元国防長官がワシントン・ポスト社主キャサリンに言う言葉だ。
X= ニクソンでも阿部でも交換できるぞ!
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* ニューヨーク・タイムズによって暴露され、その存在が世界中に知れ渡った米政府の最
高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」。タイムズは政府の弾圧で差し止められたが、ワシントン・ポストが政府の隠蔽を暴くことがジャーナリストとしての使命ではないかと社命を賭けて戦う。

1971年3月、ニューヨーク・タイムズの記者ニール・シーハンは政府の不都合な事実が記された「最高機密文書」を入手した。1967年、時の国防長官R・マクナマラの指示で作成された「アメリカ合衆国のベトナムにおける政策決定の歴史」(1945~1967)という文書。(ペンタゴン・ペーパーズ)別名「マクナマラ文書」ともいう。
トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンの4政権に渡って隠蔽されてきたベトナム戦争に関する膨大な事実が記されていた。4人の大統領はベトナム戦争における米国の軍事行動についても何度も虚偽の報告をしている。政府が平和的解決を追求していると発表されている時でさえ、軍とCIAは極秘に軍事行動を拡大していた。ペンタゴン・ペーパーズには、暗殺・ジュネーブ条約の違反・不正選挙・米国連邦議会に対する嘘といった闇の歴史の証拠が記されていたのだ。文書に関するスクープは、ベトナム戦争に召集された多くの兵士が生死に関わる危険にさらされている時に暴露されたこともあり特に衝撃的なニュースになった。アメリカは1973年にベトナム戦争から撤退したが、58.220人の米兵が死亡し、その他100万以上の命が犠牲となる直接の原因となった政府の嘘が暴かれたのだ。
ニューヨーク・タイムズに情報を提供したのは、政府も資金提供していたシンクタンク・ランド研究所の優秀な軍事アナリスト――ダニエル・エルズバークと言われている。彼は機密文書の執筆者の一人で、ベトナムに米国国務省から派遣され、政府による秘密工作や戦争の実態を目の当たりにして、政府に対しして大いに幻滅した。1969年、エルズバークと同僚のアンソニー・ルッツはペンタゴン・ペーパーズを密かにコピーし始めた。
エルズバークは国民に公開しょうとしたが、連邦議会議員の説得に失敗すると、ニューヨーク・タイムズに機密文書をリークすることを決意する。1971年3月、記者のニール・シーハン(政治的に強硬な記事で有名)と密会し文書を見せた。シーハンは上司に掛け合うと答えた。
ニューヨーク・タイムズはこの文書を公表することで何が起こるかをはっきりと理解していた。法律顧問の助言に逆らい、発行人のアーサー・“パンチ”サルツバーガーと編集局長エイブ・ローゼンタールは*政府の利益と公益の両方に対する責任を慎重に考慮して文書の公開に踏み切った。ホテルに担当の特別チームが籠って3カ月かけて文書を精査し、複雑な内容のためにFBIに召喚されるのではと心配したほどだった。そして、1971年6月13日(日)にタイムズに載ると大騒動が起きた。大きく出し抜かれたと思った他紙は独自の調査を始める。一方、政府はエルズバークとタイムズを起訴準備にかかる。6月16日、ニクソン政権は国家の安全保障を脅かすとして、記事の掲載差し止め命令を連邦裁判所に要求した。
 
  タイムズが差し止め命令を受ける中、ライバル紙は文書を入手して独自の記事を出そうと奔走していた。マイナーなローカル紙扱いをされてきたワシントン・ポストはすぐに文書の入手に動き、編集局次長ベン・バグディキアンが文書のコピーを入手した。こうして、文書を公表するか、見送るかの決断は当時唯一の女性経営者だったキャサリン・グラハムに委ねられることになった。 (続く)
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日本公開は3月30日です。ぜひ見て下さい



  1. 2018/04/06(金) 23:32:39|
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