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私の見た映画・美術・

映画・美術・イタリア旅行の紀行文の紹介です。

『2018年映画』「早春」(E・スコリモフスキ監督70年作品の再公開、ロンドンで撮影)1/26

『2018年映画』「早春」(ポーランドのE・スコリモフスキ監督の70年作品の再公開。1/26
             亡命中の監督がロンドンで撮影、日本72年公開以降劇場公開がなく、
             未ソフト化も加わって一部に熱狂的人気の青春映画。
             監督イエジ―・スコリモフスキ。音楽キャット・スティーブンス(英)。
             ロックバンドのCAN。
             主演ジェン・アッシャー。ジョン・モルダー・ブラン

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15歳の少年のはじめての恋と、性的欲望に翻弄される青春映画。サイモンとガーファンクルの音楽のような40余年前の青春の息吹きを感じさせる映画だ。
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 ロンドンの公衆浴場に就職した15歳のマイク(ジョン・モルダー)は、そこで働く年上の女性スーザン(ジェン・アッシャー)に恋心を抱く。だが婚約者がいながら別な年上男性とも付き合う彼女の奔放な性生活を知るうち、マイクの彼女への熱愛がエスカレートしてゆく。15歳の主人公の年上の彼女への必死の思いと、性に目覚めた少年の唐突な性的欲望の噴出!悲愴でコメディカルなシーンが痛い痛しく赤裸々で切なくなる。
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 音楽がサイモンとガーファンクルみたいだといったが、英のキャット・スティーブンスの音楽も同じようなもの。70年の当時世界の青春音楽だったのか。

 映画で大きく主張しているのが<赤>だ。真っ赤というかペンキで壁を塗ってゆくシーンが印象的だが、血とか性とか強烈な印象を与えるが、監督はもっと深い意味を表現しているのか?映像における鮮烈な<真っ赤>の意味を考えると、青春前期の男子の性・恋を意味しているのではないかと思う。これは女性にはわからない世界の話しである。

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 少年の性だが、はじめは等身大のスーザンの立て看板を抱いているシーンに少年の性の象徴とも捉えたが、終わりの水の中でのスーザンとのシーンは幻想的な美しさに目を見張った!イエジ―・スコリモフスキが只者ではないことを示している。
           
*ポーランド映画監督・イエジ―・スコリモフスキ(1938~79歳)
映画監督・脚本家・俳優。ワルシャワ大学卒業。1960年アンジェイ・ワイダ監督の「夜の終わりに」の脚本を担当。
62年に脚本を担当したロマン・ポランスキー監督の「水の中のナイフ」は、第23回ヴェネツィア国際映画祭で批評家連盟賞を受賞。アカデミー賞にノミネートされた。
67年「出発」がベルリン映画祭を受賞。前年の仏のゴダール監督の「男性・女性」に出演したジャン・ピエール・レオなどが出演しヌーベル・ヴァーグの影響を受けている。70年の「早春」は彼の代表作となった。その後数々の映画を監督し、又俳優としても活躍した。
2008年祖国ポーランドを舞台にした映画「アンナと過ごした4日間」で17年ぶりに監督に復帰して、東京国際映画祭に受賞した。2015年「イレブン・ミニッツ」を監督。現在も健在である。





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  1. 2018/01/26(金) 18:24:36|
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『2018年映画』「花筐」(原作檀一雄、監督大林宜彦) 1/8

『2018年映画』「花筐」(原作、檀一雄。監督大林宜彦。 1/8
         出演、窪塚俊介・満島真之介・長塚圭史・常盤貴子
           
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尾道三部作(「時をかける少女」「転校生」「さびしんぼう」)で熱狂的なファンを集めた大林宜彦の作品。40年前に監督は脚本を書きあげ映画化に臨んだが中断。(日本がバブル期に向かって行く時期でタイミングが合わない)戦争の影迫る昨今、病魔に侵された監督が渾身の力を込めて作品を完成した。戦争がいつ突発してもおかしくない情況への危機感からの作品化であり、遺書としての意味を持つと思う。

原作は檀一雄、昭和12年日中戦争勃発の年に発表、檀自身戦地へと赴いた年である。大学に通う3人の若者・未亡人の叔母と肺を病む姪・その友人の少女たちの青春群像劇。時間を大林監督が記憶する昭和16年(太平洋戦争勃発の年)、舞台を唐津に設定し、自分の命さえ自由にならない時代を生きる若者たちの凄まじい青春を描いた。

昭和16年にアムステルダムの両親の元を離れ、唐津に住む叔母(常盤貴子)の家に身を寄せる17歳の榊山少年(窪塚俊彦)。彼を取り巻く雄々しい鵜飼(満島真之介)修行僧のような吉良(長塚圭史)道化の阿蘇(柄本時生)らの刺激を受け、肺病を病む美しい従妹の美那(矢作穂香)に魅かれる。美那の友達、あきねや千歳も加わって―少年少女たちは青春を謳歌するが、戦争の足音が迫っていた。

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学校の窓からは海が広がり、教室の中を桜の花びらが舞う。庭での主人公たちが語らう背景に巨大な月が現れ、その前衛的な風景は大林宜彦のファンタジックな世界を構成する。最大の映像美は、作品の舞台となった「唐津くんち」の曳山祭りのシーンだ。画面を覆い尽くす巨大な月、人物の背景に輝く星など人工的な幻想美だ。

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思春期の若者たちが生きることや人生の意味を考える姿は真摯で無垢だ。また、若者の性の目覚めを、美しい叔母や肺病病みの美少女、女友達との”不良“と称する遊びや同性愛を匂わせた交流の中に漂わせた。題名の花筐(はながたみ)(花を入れる籠)は能楽の作品世界――昔、皇子時代に愛された女御が狂女となって恋狂い、形見の花筐を証拠に天皇に再会して愛を遂げる――のように愛・恋慕の狂乱を作品の魂としておき、中原中也の詩の朗読、バッハの無伴奏チェロソナタが作品全編にわたって鳴り響く。

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作品を貫くものは、終始漂う戦争への不安!間もなく起こる戦争で自分たちは若い命を失う、自分が慕う人が戦場で命を失うという痛切な思いである。「青春は、戦争の消耗品じゃない」という痛切な叫び!病魔と闘う大林宣彦の、戦争に散っていった若者たちへの鎮魂歌であり、いつ戦争が始まってもおかしくない現代への遺書である。


  1. 2018/01/08(月) 16:17:31|
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『日記』 「平成30年 年賀状」 2018年1月1日

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                        迎春

*総選挙・野党分裂、自民大勝は9条改憲に驀進!戦後70余年戦死者「0」の平和日本、
   どこへ行く?

*A・タルコフスキーの「鏡」は自伝的映像詩。イマージュを鏡に次々と映すことで、心の奥の深部の映像化。夢・記憶・イマージュなどの無意識の表象化。面白い!

*「河瀬曻展」故郷の子供歌舞伎を描く。プロの造形力に感嘆!河瀬ワールドの発展が楽しみ。
*「神尾和由展」イタリア在住23年、帰国後文化の違いに苦闘の10年。
  今や独自の世界の完成です!
*「白山雅成展示室」「ユトリロ階段」が大集合。ベルビィルの風景などパリの昔の風景は
  白山先生の原点である。

*小4の孫を連れて春の奈良・京都に遊んだ。阿修羅像の気品・気高さに感嘆!

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2018年元旦
                                         ジュリアンの夢

                 
  1. 2018/01/01(月) 06:37:15|
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